万葉集巻五「梅花歌三十二首」には、詩歌の背景や趣旨を説明する「題詞」の中に
「于時初春令月 氣淑風和」(時に、初春の令月にして、気淑く風和ぎ)という語句があり、
「令和」はこれを出典としたとしている。

しかし、これと似た漢文が、万葉集(780年頃成立)以前の中国の詩文集「文選」(530年頃成立)にある。

文選巻十五に収められた、後漢の文学者であり科学者の張衡(ちょうこう)が詠んだ「帰田賦」には、
「於是仲春令月 時和氣清」(これにおいて、仲春の令月、時は和し気は清む)とある。

(文選は)「ブリタニカ国際大百科事典小項目事典」や「大辞林 第三版」によれば、
「日本に早くから伝わり、日本文学に大きな影響を与えた」とあることから、
梅花歌三十二首の題詞の著者が文選を参考にした可能性がある。
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