F35安全性に「絶対の自信」=墜落でも運用・調達は不変−米空軍トップが単独会見

時事通信2019.04.24
 【ワシントン時事】米空軍制服組トップのゴールドフィン空軍参謀総長は22日までに、航空自衛隊の最新鋭ステルス戦闘機F35の墜落事故に関し、安全性には「絶対の自信を持っている」と述べ、今後の運用や調達方針に影響はないという見通しを明らかにした。
国防総省で時事通信との単独インタビューに応じた。

 ゴールドフィン氏は、第4世代戦闘機であるF15やF16の開発・運用初期段階と比べ、「(第5世代の)F35は(安全面で)素晴らしい結果を残している」と強調。
空軍仕様のF35Aは「安全なだけでなく、戦闘において非常に高い能力を発揮する」と評価した。

 行方不明の機体捜索や事故原因の究明には「要請があれば協力を惜しまない」と明言した。
その上で、インド太平洋地域と北大西洋条約機構(NATO)にF35の課題や相互運用性を話し合う「運用国グループ」があり、こうした他の運用国のためにF35の性能に関する機密情報を守ることが大切だとの見方を示した。

 F35の性能については味方の航空機や艦船、衛星などから敵の防御態勢に関する情報を集め、状況に応じて最も効果的な攻撃作戦を選択、指揮できる「唯一かつ最重要の兵器だ」と説明。
中国の優れた防空能力に対抗する上で必要不可欠だとする一方で、戦争ではなく抑止のためにF35を含む軍事力を持つことが重要だと力を込めた。

 米空軍は1991年の湾岸戦争当時、航空機8000機以上の体制だったが、予算削減などの影響で現在では約5000機。
しかし、ゴールドフィン氏は「(こうした中でも)太平洋地域における体制は安定したまま変わっていない」と述べ、今後もアジア太平洋地域を重視する方針を示した。

 日米関係に関しては「両国が肩を並べて団結することがこれほど重要なときはかつてない」と明言。
中国のような軍事強国に対峙(たいじ)するため、同盟・パートナー国の主権を尊重しつつ、相互運用性や統合性を高める方策を模索していきたいと語った。 

【了】

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