夏場には8トンから10トンの水を使っていた、さぬきうどん店でも…
(松下製麺所/松下守さん)
「あす使う水の量を、夕方5時から9時までの給水のときにため、それで朝、それを沸かし、うどんを洗うのに使い。いろいろ苦労はありました。暑いときにね」

 深刻な渇水に見舞われるたびに浮上するのが、徳島県が権利を持つ「不特定用水」の問題です。「不特定用水」とはダムの建設前から徳島県内で使われてきた水と河川の環境を維持するための水のことです。
 平成17年の渇水時、香川用水への供給量は最大75%カットされましたが、全体の3分の2にあたる毎秒43立方メートル分の「不特定用水」はカットされないままでした。

 実はこのとき、水利用連絡協議会の会長が徳島県知事を訪ね、不特定用水の30%カットを要請していましたが、受け入れられなかったのです。

(徳島県/飯泉嘉門 知事)
「今の早明浦が仮になかったとしたらどうなるんだろうかと。当然、うちとしては不特定(用水)だけでやる。香川県さんは農業用水であれば、あの多くの満濃池含む、ため池で対応してる。歴史の重みというのも、どうしてもあるもんですからね」

 平成6年の渇水時にも、当時の平井知事が徳島県に同様の要請を行っていました。しかし、徳島県には「長年、吉野川の洪水被害に苦しんできたのは自分たちだ」という思いもあり、この不特定用水はいわば「聖域」となっているんです。

(四国地方整備局 河川管理課/渡辺健二 課長)
「あくまでも既得の権利と言いますか。徳島県さんの元々の権利の上に、分水が成り立っていると。権利を犯すということは、かなり難しいと思いますので、そこにいくまでに、できるだけ調整しながら延命していくということが重要ではないかと思ってます」

(香川大学名誉教授)
「これまでの既得権とか過去のしがらみと言いますか、それを守旧派的な発想で守り抜こうとする、これはだめだと僕は思います。いつまでもそれが許される状況ではないと思いますよ。
例えば吉野川水系にある水は四国人、四国に住む人の共通の財産だから、それをいかに配分していくのか、そのために立場の交換をしながら胸襟を開いて議論するということが絶対必要なことだと思います」
https://youtu.be/BG-PUtAVqHI

うどん県民のクズっぷりに震える