肺癌との鑑別が困難であったアスペルギルスによる気管支中心性肉芽腫症の 1 例
http://www.jrs.or.jp/quicklink/journal/nopass_pdf/045110856j.pdf
要旨:症例は 63 歳,男性.慢性閉塞性肺疾患等にて加療中に右上肺野結節影を指摘され精査目的で当科紹介.
胸部 CT 上,右 S3aに 8mm 大の小結節を認め,周囲に pleural indentation,spicula を疑わせる陰影もあり,
肺癌との鑑別目的で,胸腔鏡下肺生検を施行.術中迅速組織診にて悪性腫瘍は否定されたため肺部分切除で終了した.
摘出肺病理組織では細気管支内にアスペルギルス菌塊が充満した気管支中心性肉芽腫と診断された.
病変は完全切除されているため抗真菌薬等の追加治療は行わず外来にて経過観察中である.
本症例は術前に肺癌を否定するのは困難であったが,比較的均一な濃度の結節影であったことなど詳細な画像の
検討が鑑別に有用であったのではないかと考えられた.今回,孤立した結節影を呈し,肺癌との鑑別を要し
たアスペルギルスによる気管支中心性肉芽腫の 1 例を経験したので文献的考察を加えて報告した.

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肺癌=アスペルギルスというのは昔から言われているし、ほとんど区別がつかないか同じかという話である。