では目先を変えて日本の自動海水補充装置の顛末を。

友鶴や第四艦隊事件受けて復元性の問題から燃料タンクに海水補填するってことで進んでいく
初春型や龍驤に取り付けられた。

図を見たことがある人には余計な説明だが、要はタンクの下から海水が入ってきて、
重油は海水より軽いから押し上げられタンクから溢れる。
その溢れた重油を罐に送る、そんな装置。

で、装備した後の評価はというと、理屈では重油と海水は接触面での変質もあり境界面ができるから
混ざることは少ないと思われていたが、
そうではなく、海水と重油が混じって送油される事態になった。

一番の問題は送油ポンプで、重油の粘度に合わせていたので負荷が小さいため過回転となり発熱故障
それではと海水用ポンプを使い過負荷となり発熱故障となってしまった。
また海水分離が不十分なため罐を痛めると判断され、専用の加熱式海水分離装置が必要とのことになってしまった。
溢れ出たところの変質重油の処理、タンク内にへばりついた残渣処理等、洗浄の手間は一通りではなかったようで
実際にはこのタンクの燃料を使わないような運用になったようだ。