試験機4機のうち、1号機は改善版ブレーキソフトウ
ェアを搭載し、ニューメキシコ州ロズウェルで制動性
能をテスト、すべての航空局立ち会いのもと良好な結
果を得たという。2号機は型式証明試験に供するため
に大規模な改修を行なっている最中で、6月中には飛行試験を再開できる予定になっている。
そしてここで、3号機を6月17日から始まる「パリ
航空ショー 2019」で展示することが明かされた。前
回の定例会見では会場に実機を持ち込まない可能性も
示唆していたが、会場現地でMRJの姿を見ることがで
きるようだ。ただし、どのような形の展示かは明言し
ておらず、また型式証明試験の最中であるため、「会場には数日しかない」そうで、戻ってからはアビオニ
クス(航空機向け電子機器)のテストを実施するという。
 4号機はエンジンとAPU(補助動力装置)の試験を
完了、コクピットの風防の試験や自然着氷試験などを
実施して、ドレイニング(排水)試験のためアップグ
レード中とのこと。
 改修中の2号機を除いて、1号機、3号機、4号機合
わせて2019年5月に飛行時間が計139時間14分、48
フライトを実施。ベラミー氏は「よく言われているの
が『月間40回飛行試験ができればよい』というもの
だが、我々はそれ以上だ」と自信をのぞかせた。
 なお、会見後の質疑応答では、一部報道にあった
「スペースジェット(Space Jet)」へのブランド名
変更や、ボンバルディアのリージョナルジェット機
(CRJ)事業買収交渉について質問がおよんだが、水
谷社長は「検討はしているが、すべてパリでお知らせ
する」と明言しなかった。ただし、ベラミー氏は「三
菱(Mitsubishi)の名前は世界中でよく知られてお
り、三菱というブランドを取り去るつもりはない」と
述べ、新名称にも「Mitsubishi」が残る可能性を示し
た。