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三菱重工がCRJを傘下に収めた場合、スコープクロー
ズの有無に関わらず、不採算なCRJを継続するかは不
明だ。Aboulafiaによると、受注残を処理した後に事
業を廃止する可能性があるという。三菱重工がCRJを
買収するメリットとしては、整備拠点を手に入れられ
ることに加え、ボンバルディアの熟練エンジニアを獲
得し、MRJの開発や複雑な認可プロセスに従事させら
れる点が挙げられる。
ボンバルディアは、三菱重工がボンバルディアの元従
業員から機密情報を入手したとして、昨年10月に同社
を提訴していた。ボンバルディアは、もともとスノー
モービルを製造していたが、買収を繰り返して1970
年代には鉄道車両の製造に、1980年代には航空機の
製造に参入した。しかし、2010年代に入るとエアバ
スやボーイングに対抗するため、座席数100-130席級
の「Cシリーズ」を開発したことで経営が傾き、倒産
の危機に瀕していた。
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