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三菱航空機が打ち出したM100型機は、世界のリー
ジョナルジェットの主戦場である米国のスコープクロ
ーズに対応する機体だ。そもそもこのスコープクロー
ズとは、航空会社とパイロット組合の労働協約の一つ
で、リージョナルジェットに対する制限として、座席
数は最大76席、最大離陸重量が39トン(8万6000ポンド)という制限を設けたもの。かつてのMRJおよび
ライバルであるエンブラエルのE2は、このスコープク
ローズという障壁に阻まれ、主戦場である北米市場の
取り込みができていない。そこで三菱航空機はリブラ
ンドしたスペースジェット構想を打ち出し、スコープ
クローズに抵触しないM100型機を市場に提案するこ
とで、北米市場を取り込もうとしている。

 三菱航空機としては、型式証明を取得してローンチ
カスタマーである90席級のM90の開発作業をまずは
最優先事項として取り組まなければならないことはも
ちろんのことだが、マーケット規模としてはM100型
機が本命だ。
 ベラミーCDOは「(M100の)設計、技術的な内容
検討を進めており、お客様からもフリートに加えた
い、製品が欲しいという声も来ている」とコメント
し、M100の受注獲得に自信をみせた。
 そうしたなかライバルであるエンブラエルがE2ファ
ミリー最小となるE175-E2の初飛行を実施しており、
M100型機のライバルとなる機体開発を前進させた。
 ただ、このE175-E2はスコープクローズにおける最
大離陸重量の制約をオーバーする機体設計となってお
り、このままではスコープクローズに抵触。北米のエ
アラインとしては導入することが難しい設計となって
おり、スペースジェットのM100に優位性がある。