日刊ゲンダイが激怒


秋田県秋田市と山口県萩市に配備予定の陸上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」の“正体”が次々に明らかになってきた。
総額6000億円超もの血税を費やす可能性もある無謀な計画は純然たる「アメリカ・ファースト」。
決して北朝鮮のミサイルから本土を守るためではない。
そんな“アメリカ様”にすがり、安倍首相と菅官房長官の“ゆかりの地”には「おこぼれ利権」がもたらされることになるのだ。


秋田大学工学資源学部の福留高明元准教授(71)は昨年8月1日、自身のフェイスブックに〈秋田市および萩市は、
(北朝鮮のミサイル発射基地)舞水端里と米軍の最重要軍事施設のあるハワイ島およびグァム島を結ぶ直線(大円軌道)の直下、すなわち技術的にもっとも迎撃しやすい位置にある〉と指摘。

要するに、防衛省は米軍施設防衛を優先し、新屋以外の地点に「×」をつけた可能性があるのだ。改めて福留氏に聞いた。
「仰角4度といえば、遠くの方に山並みがうっすらと見える程度ですが、15度となると、眼前に険しい山肌が立ちはだかるレベルです。一目見れば分かります。単純ミスなどあり得ません。
『新屋しかない』と地元の人たちを納得させるため、お手盛り調査でゴマカしたのでしょう」

それだけじゃない。総額6000億円超もの血税をつぎ込む可能性のあるイージス・アショアの周辺施設の建設や、維持管理などに関われば巨大な利益を生むのは想像に難くない。
秋田は菅氏の出身地であり、山口は安倍首相の選挙区だ。
安倍首相・菅氏の“ゆかりの地”がトランプ政権の兵器押し売りの「おこぼれ利権」で潤うに違いない。

事実、米軍の新基地建設が進む沖縄・辺野古では、利権構造がデキ上がっている。
安倍首相と近い総合化学メーカーが大株主のセメント製造会社が土砂の運搬を請け負い、地元政治家とズブズブの建設業者が工事を受注しているのだ。

菅氏はイージス・アショアについて「わが国を24時間365日、切れ目なく防護するために必要な装備品」と言っていたが、なんのことはない。
“アメリカ様”の基地防衛に巨額の血税をブチ込み、「おこぼれ利権」にすがろうというのだ。
こんなフザケた計画は即刻、中止すべきだ。

https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/255621/