香港、リーダーなき反政府デモの「勝利」 テレグラム利用で情報共有 (産経 6/15)

中国本土への容疑者引き渡しを可能にする「逃亡犯条例」の改正案をめぐり、多くの香港市民が参加して繰り広げた反対運動はひとまず、
立法会(議会)審議の無期限延期という譲歩を当局から勝ち取った。
一連のデモは「リーダーなき反対運動の勝利」だったとの見方が広がっている。
(中略)
民主派の区諾軒・立法会議員は今回の改正反対運動について「これまでのデモとの違いは、リーダーが存在しないことだ」と指摘する。
地元ジャーナリストも「香港政府は今回、誰と交渉したらいいのか分からなかった」という。

区氏によると、改正反対運動で多くの参加者が利用したのが、携帯電話用の通信アプリ「テレグラム」だ。
ロシア人が創設したアプリで、最大20万人のグループを作ることができるという。
メッセージが暗号化されて送られるため、保秘性が高いことでも知られる。

実際、改正反対運動に関するグループの一つには約2万9千人が参加していた。
こうしたグループが多数存在し、反対デモに関する情報を共有していた。あるグループでは「犬に注意」などの隠語を使って、警察などの
治安部隊がどこにどれだけ配置されているか−といった情報を知らせるものもあった。

地元ジャーナリストによると、こうしたアプリを通じて情報を得た多くの学生らは今回、当局の追跡をかわすため共通の対策をとっていたという。

マスクやヘルメット、ゴーグルを多用し、いつも以上に身元を特定しにくくしていたのもその一つ。
また、地下鉄やバスを利用してデモに参加する際、当局による追跡が容易なICカードではなく、現金を使っていたようだ。(後略)
https://www.sankei.com/world/news/190615/wor1906150023-n1.html

抗議活動のリーダーや指導部が実質存在しないのでは、今までのデモ対策が通用しないから香港当局も後手後手に回るんですな。