コラム:大口投資者が引くに引けぬソフトバンクの投資ファンド - ロイター
https://jp.reuters.com/article/sofbank-fund-breakingviews-idJPKCN1TL0FG

>賭け金を2倍にするか、ゲームから降りるか──。サウジアラビアとアブダビ首長国は今、
ソフトバンクグループの先端分野向け投資ファンドを巡って、こうした選択を迫られている。

>サウジとアブダビの政府系ファンド(SWF)は、1000億ドル近い規模の「ソフトバンク・
ビジョン・ファンド」に合計で600億ドル出資している。そして今、孫正義氏が計画している
「ビジョン・ファンド2」に参加するかどうか決めなければならない。出資を見送れば、現在の
ビジョン・ファンドの投資先である一連の新興企業への信頼も揺らぎかねない。


>ビジョン・ファンドの運用成績に基づけば、第2弾に出資するというシンプルな判断になると
思われる。ソフトバンクは、3月までにビジョン・ファンドの保有株の時価が、既に売却して利益を
得た2銘柄を除いたベースで取得価格に比べて20%上昇したとみている。エクイティ部分のこれまで
の投資リターン(内部収益率=IRR)は45%と、平均的なベンチャーキャピタルの2倍以上に達し
ている、というのがソフトバンクの計算だ。債券の性格を持つ優先株の保有を含めたIRRでも29%
と相当高い。

>もっともこれらはソフトバンクが独自に算定した書類上の評価額にすぎず、必ずしも株式市場の
投資家や他の買い手が支払おうという金額の反映とは言えない。例えばビジョン・ファンドはウーバー
について、IPOに先立って保有株の評価額を引き上げたが、足元のウーバー株は、公開価格を3%
下回っている。

>こうした不安定な株価の動きは、ビジョン・ファンドが株式を保有し、年内のIPO実施を希望
している他の新興企業、例えば共有オフィス運営のウィワークなどの士気をくじいている。昨年第
4・四半期のようにハイテク株が再び下落すれば、保有分の売却も難しくなる。レバレッジをかける
ことで、株価上昇時にエクイティホルダーの利益を増幅させるビジョン・ファンドの構造は、株安局
面では損失が拡大することも意味する。


借金は、すればするほど強くなるのだ。