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過去数世紀、中露関係ではロシアが常に兄貴分で、中国を指導してきた。
中国共産党自体が、モスクワに本部を置いたコミンテルン(国際共産党)の指示で誕生したし、国共内戦での勝利も旧満州に進駐した旧ソ連軍の支援が大きかった。
新中国成立後、ソ連人顧問団が中国の社会主義建設を支援した。
だが、ソ連共産党は壊滅し、党員13人の会合から始まった中国共産党は、党員数8000万人の巨大な一党独裁政党に膨張した。
いまや「中国が兄貴分で、ロシアは妹に成り下がった」(タブロフスキー・ルムンバ大学教授)といわれる。
二国間関係でロシアが自らの主張を貫徹するのは困難な情勢で、ロシア側には屈辱感、焦燥感が強い。
そして、この不均衡な構図は今後さらに拡大し、ロシアが再び兄貴分になることはあり得ない。

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「極東中国人自治区」も
中露間でパワーシフトが進む中、過疎の極東は次第に中国の影響下に置かれつつある。
中国脅威論をしばしば報道するロシアの週刊紙「論拠と事実」(8月14日号)は、
「極東の中国人は10万−20万人とされるが、実際にはその何倍もいるとの見方がある。
ウラジオストクの店に並ぶ野菜や果物は、中国人が近くのレンタル農地で栽培し、生産しているものだ。ウラジオストクのスポーツ通りの中国人街には、中国人が溢れている。
極東経済は中国なしには成立しない。中国人はスーパーや店を買収し、放置された建物を修復し、中国人コルホーズを組織している。
気づかれないうちに、中国人は全沿海地方を支配しているのだ」と書いた。
ワレーリー・コロビン地政学センター所長は同紙(8月29日号)に寄稿し、
「中国との領土問題は決着し、国境紛争の種はないとはいえ、極東からのロシア人流出と中国人流入は続く。
中国人は人的ネットワークで市場や領土を支配する術を心得ている。極東の幾つかの地域では、中国人の人口が過半数に達している可能性もある。
中国人は同化せず、家族を呼んで子供を産む」と述べ、「極東中国人自治区」が創設される可能性に警告した。