>>782
>ヴィンランドサガ劇中だと木材資源確保と言われてはいる>目的
>アイスランドあたりだと大物の木なんてまずそろわんだろから納得いく理由ではある

バイキングがグリーンランドに入植した10世紀頃には、地球全体が比較的温暖で寒帯でも緑地も多く、
グリーンランドでも農耕地や牧草地は今よりずっと多かったらしい。

しかし入植が進むとグリーンランド南部の僅かな森林は真っ先に伐採され、緑地も余さずバイキングが
農耕/牧畜に使用しましたが、その後徐々に寒冷化が進むと食料生産もじり貧に。

そしてバイキングは高い金属精錬/加工技術で武具や農機具を作り、それを持って金属を作れない
エスキモーに対して優位に立てましたが、豊富な木炭が無いと金属の量産は困難です。

そして自前の森林が消失してしまったグリーンランドでは船も建造できず、木材の供給は時折来航する
アイスランドや欧州からの交易船に持ってきてもらうか、ランダムに流れ着く流木しかありません。

こうしてどうにか船も鉄も自給できるアイスランドと異なり、船も鉄も作れず農地も先細りなグリーンランド
入植地は衰退の一途を辿りました。

そこで聞きつけたヴィンランド(カナダ北東部)に豊富な森林と広大な土地があるという情報は、入植地の
限られたリソースを割いてでも探検と入植を行う価値のある場所でしたが、入植地の持つ船では少数の
乗組員しか送れないし、この頃になると鉄器も貴重になっていました。

その為数で圧倒的に優る新大陸のインディアンを敵に回すとほぼ勝ち目は無かったし、後のスペイン人
征服者と違って質の優位を担保する鉄の武具も乏しかったから、余計に分が悪かったのですが。