まとめてみよう

オレンジプランでは、アメリカは開戦とともに西進しフィリピン失陥前に到達する計画
途中補給基地がないため、戦艦の航続距離は長大にする
日本はこれに呼応し、潜水艦と水雷戦隊による漸減と、洋心での艦隊決戦を計画した

ところがアメリカは30年代半ばから飛び石作戦に方針を変更、海兵隊は敵前強襲揚陸の戦術と兵器の研究を開始
アメリカの無補給大艦隊が渡洋攻撃してくることは無くなる

実際、フィリピン失陥後、アメリカの反撃は洋心どころか南部ソロモンのガダルカナルから開始
以降、空母対決はあったものの基本は基地機の航空戦と、補給を巡る中小艦艇の小競り合いのみ
アメリカの狙いはラバウル無力化と西進準備
日本は戦闘に負け続けて航空兵力を消耗
(ミッドウェーは全く不必要で余計)

アメリカ新艦艇の大量就役後、中部太平洋侵攻開始するも、大艦隊来攻の目的は日本艦隊撃滅ではなく島嶼確保
開戦後2年我慢したアメリカは、43年11月より手戻りなく航空基地と補給基地を獲得しながら、半年強でサイパンまで侵攻

日本はようやく航空戦力を立て直し、マリアナで艦隊決戦を仕掛けるが、揚陸支援が本業の米艦隊に返り討ちされて機動部隊壊滅
4ヶ月後レイテでダメ押しされる

こうしてみると、日本はアメリカの打つ手への対応が精一杯、振り回されっぱなしだったことが分かる

その原因
・アメリカの目的は拠点確保、艦隊出動はその手段だったのに対し、日本の目的はアメリカ艦隊撃滅
見込みのない艦隊決戦にこだわり、戦艦をはじめ戦力を出し惜しんだり、上陸部隊を放置して敵艦隊との対決に走る
・直接対決になったとしても勝ててない、つまり戦闘に弱かったこと(航空戦、水上砲戦とも日本の負け越し)
・そもそも勝ちようのない対米戦争を始めたこと