「宇宙大国」ロシアは凋落 米中対抗の野心も計画進まず (産経 8/19)

宇宙を舞台とした米中の競争が激化する中、往年の宇宙大国ロシアの凋落が目立つ。
プーチン露政権は米中に対抗しようと躍起で、新型ロケットの開発や極東での宇宙基地建設に意欲を見せる。だが、人材の劣化や予算の
不足、国営企業による非効率な事業運営と問題が山積し、野心的計画の進捗は思わしくない。

米スペースシャトルが2011年に退役して以降、地球と国際宇宙ステーション(ISS)を往復する手段は露宇宙船「ソユーズ」だけとなった。
安定感を誇ってきたソユーズだが、ここにきてその信頼が揺らぎつつある。

昨年8月にはISSに接続していたソユーズの穴が原因でISSの気圧低下が発生。
同年10月に行われたソユーズ打ち上げも組み立てミスが原因で失敗し、米露の飛行士2人が緊急カプセルで脱出した。
米スペースX社は有人型ドラゴン宇宙船の実用化に成功しつつあり、ソユーズの独壇場は終わりに近づいている。

1950〜60年代、旧ソ連は世界に先駆けて人工衛星「スプートニク」の打ち上げやガガーリンによる有人宇宙飛行に成功。初の有人月面
着陸(69年)では米国の後塵を拝したが、71年には世界初の宇宙ステーション「サリュート1」の打ち上げを実現した。
(続く)