ベレンコ事件の折、当時のTBSモスクワ特派員が、
モスクワ市民の反応をソ連当局に見とがめられないよう、ひそかに取材して回ったことがある。

ソ連のマスコミでは全くといっていいほど報道されず、
わずかにプラウダが「日本の北海道に飛行機が不時着、パイロットは消息不明」と報じただけだったが、
取材に応じた市民の反応は意外に鋭く事件の真相を探り当てており、
「パイロットしか乗っていない飛行機って戦闘機しかないだろう?しかも帰ってこないって、亡命しかないじゃないか?」