つまらん話かもしれんが
その昔、都内の大使館に出入りする業者の依頼で仕事してたことがあんのよ。
中東の産油国で宗教戒律にとりわけ厳しい国の大使館でね、日本人職員と一緒にエレベーターに乗った。職員はどっかのおばさんにしか見えない。
おばさんの手が俺が抱えてる荷物に当たり、落ちた。
唐突におばさんの口から出た台詞が『御免あそばせ』いったい何処のお嬢様かよと。
しかしながら、決してお嬢様育ちでもない。男尊女卑の国の書記官様を尻に敷いてた。
その書記官様の個室水回りを診させられたのだが、本場モノのウォッカが一瓶、シンクの中にデンと座っていたな。
反米時代にソ連駐在だった人かもしれん。