Q:いずも型の空母化改修費用が31億で済むのは予めF-35Bに対応して設計建造されてる証拠じゃないの?

A:まず防衛省は公式に「空母化」という文言は用いた事は一度もありません
また主要な報道メディアも「事実上の空母化」という文言しか用いていません

令和2年度の概算要求に於ける説明に於いても「F-35Bの発着艦を可能とする部分的な改修を実施」とあるだけです
また中期防の説明に於いても
「『いずも』型護衛艦を改修する事により、緊急事態の発生時にはパイロットの安全を確保しつつ、戦闘機の運用の柔軟性を向上させることが可能となります」
とあります

これはいずも型にF-35Bの非常時の支援能力を付与すると言う事です
改修費用が31億で済むのも非常時に離着艦させる為の最低限の改修を行うだけだからです
具体的には

・5番スポットの補強
・飛行甲板の滑り止めコーティングをMS-440Gからサーミオンに変更
・救命筏など飛行甲板周囲の艤装装備の移設と耐熱シールドの追加
・F-35Bに適応した電源ラインの追加

程度の内容になります

F-35Bを搭載運用する為の改修ではなく米海軍のドック型揚陸艦が「先進航空機支援能力」(LPD Flight II)
を付与されているのとほぼ同一の内容です

支援能力とはあくまで軽微なトラブルが発生した場合の臨時着艦や簡単な整備補給を行えるだけの事です
重武装状態での離着艦は考慮されておらず発艦もVTOモードのみのなります

これは俗に言う「空母化」とは全く次元の異なる物です

続く