>>642
金正恩氏は、以前から自分勝手に交渉の期限を年末と定めてきたが、いよいよその期限が近づいてきている。
もともと彼自身が、経済制裁が続けば自国(金王朝)の存続が危うくなると予測し、そのデッドラインを年末に設定していたのだが、その読み通りになりつつある。
経済制裁の中でも、特に効いているのが、北朝鮮からの出稼ぎ労働者の受け入れ禁止だ。
2017年に、国連安全保障理事会は、北朝鮮の国外労働者に対する新たな査証(ビザ)の発行を禁止し、2019年末までに北朝鮮労働者を本国へ送還するよう各国に義務付けた。

出稼ぎ労働者が金王朝を支えている

実は、金王朝あるいは政権幹部の、「喜び組」を含めた贅沢三昧の資金源は、出稼ぎ労働者からの搾取(ピンハネ)などの外貨に依存している。
そもそも、国内にまともな産業が無いのだから、外国で稼がなければならないのだが、出稼ぎ労働は金政権にとって極めて効率の良いビジネスだ。
海外で働く労働者は妻子持ちであり、本国に残った妻子が人質の役割を果たす。
それでも欧州などの作業現場では、北朝鮮の役人が常に監視していて逃亡ができないようにしている。
またピンハネ率は9割を超えていると推定(特に経済制裁が始まってから比率が高まった)され、出稼ぎ労働はまさに「金の卵を産む鶏」であり、
金正恩氏の贅沢だけではなく、「核開発」も支えていた。
その「金の卵を産む鶏」が来年からいなくなってしまうというのは、金正恩氏にとって「恐怖」である。
ビザなどで小細工して、何とか「金の卵を産む鶏」を延命しようとしているが、
少なくともこれまでのような潤沢な資金を手に入れることはできない。
その事実を知っている政権幹部にいつ寝首をかかれるのかと、びくびくしているはずだし、年末・年始あたりに実際に起こる可能性は否定できない。