>>252
編集として作品を理解した上で更に良くするために理屈と感情を駆使して作家とやりあえるのは大事だからね。
たとえば藤田和日郎が「うしおととら」とか最初はタイトルとして「魔槍記」とか「退魔槍戦記」ってのを考えてて、
「邪なる力で邪なるものを滅ぼす槍の話だからこのタイトルなんです!!!」って担当に鼻息荒く語ったらボツにされて
当時人名をタイトルに入れる流行りがあったというのもあるけど
「確かにこれは槍の物語だよ でもこの作品でがっつり見せたいのってこの馬鹿正直で熱い中学生とワルい大妖怪の凸凹コンビじゃないの?
 だったらいっそそいつらの印象をドン!と持って来ようぜ、縮めたらウシトラって語呂もいいしさァ」
と言われて成る程そう言われてみれば…という事でタイトルを変えたそうな
こういうよく言えば説得、悪く言えば丸め込みができるかな?って話で。

なお後年奇妙な縁で藤田と仲良くなった幻想文学研究の東雅夫が
「うしおととらのタイトルに込められた意味が最高ですよね!!『丑寅=鬼門』なのはもちろん、二人の旅の方角であり白面の者やその眷属にとっての鬼門でもあり…」
って興奮して藤田に語ったら「…へ? あ!!!ほんとだ!!!すげえ!!!すごい!!!知らなかった!!!」とか言われた