仏教「ジャータカ物語」二七
これは師が祇園精舎に滞在されたとき、ある信心深い在俗信者に語ったことである。
ある夕方、その信者がブッダに会おうとアチラバティー川の岸へ行くと、
船頭がみなブッダの説法を聞きに行っていて渡し舟が一つもなかった。
そこで信者は歩いて渡ろうと川に入ったが、仏に会う喜びに浸っていたので足は水に沈まず、
陸の上を歩くように水の上を歩くことができた。ところが川の中ほどまで来たとき、
にわかに風が吹いて波が立った。それを見たとき喜びの心が薄らぎ足が沈みかけたが、
喜びの心を堅固にすることで対岸に着くことができた。
祇園精舎でブッダに会い、挨拶して一隅にすわると、ブッダがたずねた。
「そなたはどうやって川を渡ってきたのか」
「尊師よ。私は仏に会う喜びに浸っていたので、水の上を歩いて渡ることができました」
「今回そなたは仏を臆念することで水の上に足場を得たが、過去に海で船が壊れたときには、
仏を臆念することで舟を得ることができた」。そう言って請われるままに過去の話をされた。

マタイ14章
夜が明けるころ、イエスは湖の上を歩いて弟子たちのところに行かれた。
弟子たちは、イエスが湖上を歩いておられるのを見て、「幽霊だ」と言っておびえ、恐怖のあまり叫び声をあげた。
イエスはすぐ彼らに話しかけられた。「安心しなさい。わたしだ。恐れることはない。」
すると、ペトロが答えた。「主よ、あなたでしたら、わたしに命令して、水の上を歩いてそちらに行かせてください。」
イエスが「来なさい」と言われたので、ペトロは舟から降りて水の上を歩き、イエスの方へ進んだ。
しかし、強い風に気がついて怖くなり、沈みかけたので、「主よ、助けてください」と叫んだ。
イエスはすぐに手を伸ばして捕まえ、「信仰の薄い者よ、なぜ疑ったのか」と言われた。
そして、二人が舟に乗り込むと、風は静まった。
舟の中にいた人たちは、「本当に、あなたは神の子です」と言ってイエスを拝んだ。

どちらも水上歩行というよりは、ほら吹き男爵のブートストラップみたいな話だな