政治資金収支報告、公開団体が苦境 桜を見る会で注目
朝日 11/28(木) 7:00配信

政治とカネの問題が浮上するたびに注目される政治資金収支報告書は、毎年11月に公開される。「桜を見る会」をめぐっても、報告書への
記載の有無が論点となっているが、国などが保存を義務づけられているのはわずか3年間。
民間団体が保存し、無料公開を続けるが、資金難に事業存続が危ぶまれている。

報告書は政治資金規正法に基づき、11月30日までに前年分を総務省や都道府県選挙管理委員会が公開する。
法律上の保存期間3年を過ぎれば廃棄されたり、非公開になったりしていく。 総務省は26日、3年前に公表した2015年分の廃棄に着手。
インターネットで公開していたPDFファイルも削除した。 今後、執務室内にあるシュレッダーで文書も細断していくという。

過去の疑問を遡って調べられなくなる――。 
こうした危機感に基づき、16年に弁護士や学者らが設立したのが、公益財団法人「政治資金センター」(大阪市)だ。
報告書のデジタル化と永久保存を目的とする。
これまでに国会議員関係を中心に約3300団体の11〜17年分の収支報告書2万5千件をデジタル化。ネット上で無料公開中だ。

選管への開示請求などをして、全国から資料を収集。 紙の報告書をスキャナーでデジタル化する。
文字検索も可能になり、例えば、企業名で検索すれば、その企業が寄付した政治団体の一覧がわかる。

桜を見る会が注目を集めた今月上旬は、1日平均20〜30件だった公開サイトへのアクセスが急増。 10日からの1週間で1034件を記録した。
「安倍晋三後援会」が主催する前日の夕食会のお金のやりとりが、報告書に記載されていないことが国会で問題視されており、アクセスの
半分ほどが同後援会のページだった。
(続く)