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1日30円で生活の苦学生、障害ある弟を残し死去 中国
障害のある弟を支援するために1日2元(約30円)で5年間生活し、極度の栄養失調状態だった中国の女子大学生が13日、死去した。
中国メディアが伝えた。貧富の差が拡大する同国で、貧困対策の乏しさを批判する声が相次いでいる。
花燕(ウー・ファイエン)さんは、弟によると24歳。昨年10月に呼吸器障害で入院した。
身長135センチ、体重20キロほどの彼女の写真がメディアで取り上げられると、多くの国民が衝撃を受けた。
担当した医師によると、5年間にわたって最小限の食べ物しか取っていなかったため、心臓と腎臓に障害があったという。

さんには、回復を願う寄付金が続々と届いた。しかし、健康を取り戻すことはできなかった。
所持金の大半は弟の治療費に

さんは生前、支援を求めてメディアに登場した。その理由について、「貧困が原因で死ぬのを待つのはいやだ」と、香港の英字紙サウス・チャイナ・モーニングポストに話していた。

さんの父親と祖母は、体調が悪化しても治療費が払えなかったために亡くなったという。
母親はさんが4歳のときに死去。父親が死んだのは、さんがまだ子どものころだった。
両親を失い、さんと弟は祖母の世話になった。その後、おじとおばが毎月300元(約4800円)を支援してくれた。
ただ、そのお金のほとんどは、精神障害のある弟の治療費に消えた。
さんに残されたのは1日当たり2元だけ。
5年間、主にトウガラシと米だけを食べていた。
担当した医師によると、さんはあまりに栄養不足で、毛髪の半分と眉毛が抜け落ちていたという。