糖尿病は「脂肪が肝臓からすい臓にあふれ出して」発症するということが判明
https://gigazine.net/news/20191225-overspill-fat-diabetes/

次に、テイラー教授が糖尿病が寛解した人の血液を検査して、肝臓で生成される中性脂肪の1種であるトリグリセリドの血中量を計測したところ、正常な値だということが確認されました。
また、内臓をスキャンした結果から、すい臓にも脂肪が蓄積されておらず、すい臓のインスリン生成機能も十分に働いていることが分かりました。

一方、糖尿病が再発してしまった人の血中トリグリセリド量は、糖尿病が寛解した時に比べて激増しており、すい臓にも脂肪が大量に蓄積されていました。
テイラー教授はこの結果について、「人が皮下に蓄えることができる脂肪の限界量には個人差がありますが、この限界量を超えると脂肪は肝臓に蓄積されます。
そして、肝臓に脂肪が蓄積されすぎると、今度は脂肪がすい臓などの他の器官にあふれ出すようにして蓄積されます。
これにより、すい臓でインスリンを生産しているすい臓β細胞が機能不全を起こし、2型糖尿病が引き起こされるのです」と述べました。
肝臓とすい臓の両方に蓄積された脂肪が糖尿病を引き起こしているというメカニズムを、テイラー教授は「ツインサイクル仮説」と呼んでいるとのこと。

テイラー教授はさらに、「ツインサイクル仮説によれば、2型糖尿病が『体内に過剰な脂肪が蓄積されている』という、ごくシンプルな状態であるとみなせます。
言い換えれば、継続的な食事療法により脂肪を減量させることができれば、2型糖尿病は解消可能だということです」と述べて、
今後はより効果的な糖尿病の予防や治療が可能になるとの見方を示しました。