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個人投資家は無抵抗な養分にすぎない

この捕食者を前にすれば、個人投資家は無抵抗な養分にすぎない。
この現状を熟知している私の目には株式投資を副業にするという発想自体が滑稽に映る。
現在の私は企業や銘柄、トレンドなどを分析する「王道の投資」を楽しんでいる。
失敗もするが、それも含めて楽しめるのも自身の投資顧問会社「NEKO PARTNERS INC」が標準装備の武器を保有しているからだ。
万人が用意できるものではない。

手数料が無料に近いネット証券会社が林立したおかげで株式投資家人口が急速に拡大している。
だが、格安の手数料で証券会社が運営できるのかと疑問に思わない新規参入者がほとんどだ。
証券会社は慈善事業ではない。SBI証券が利用者の情報をもとに先回りで利益を稼いだのは、格安で利用できる代償といえるだろう。

投資をこれから始めようとする人に会うと、「株式投資でどのくらい儲けられるのですか?」と尋ねられることが多い。
リターン(利益)は投下する資本量によって大きく異なる。
したがって、「いくら資金があるのか」のほうが問題だ。
この種の不毛な質問をする段階で、投資に手を出すべきではない。
15%の利益を得ることは比較的容易だと思えるが、私が「王道の投資」のために使う時間は、副業レベルの短時間ではない。
10万円程度の資本しかないのなら、本でも買って知識を蓄える方向に投資したほうがよい。
そうすれば「いくら儲かるか」という質問が、いかにナンセンスであるかも理解できるだろう。