オクタン価あげれば、平均有力圧力が高められる。
ノッキングに耐え得る高性能ガソリンゆえ。
つまり、エンジン出力は向上する。
といっても、限度はあるけれな。

オクタン価低いガソリンで、出力向上させようとすれば、
ボアアップか、ピストンスピード向上が必要だけど、
こっちにも限度はある。

中島がイロイロとシリンダーボアを変えてみたけれど、
一番真っ当に動いたのが、Φ130の栄誉だったりね。
三菱は、イスパノスイザのΦ140(金星、瑞星、震天)とΦ150(火星)以外、
手を出さなかったから、百姓エンジンとしての耐久性を勝ち得たわけだし。
(それは三菱・深尾の英断と言える)

火星は1x世代の2300rpmでは振動目立たなかったけれど、
2x世代に2500rpmになると、振動ガンガンで実用でなかったり。
プッシュロッドの形式や、シリンダー弁のカム形状など、
つまんないところで、三菱エンジンは高回転に向く設計じゃなかったし。
ハ43の頃になれば、2800〜2900rpmでブン回す技術を会得したようだが。
3速過給機の実用化ですら手間取ってるし(苦笑)

ターボ実用化に失敗云々の前、日本の技術力という観点では、
アメリカに対し、相当のビハインドあったことは事実。
設計図を購入したダイムラーベンツすら、真っ当に量産できなったぐらい。
というなかでは、昭和15〜16年頃の零戦の仕上がりは奇跡的だったわな。
堀越の傑作であるが、傑作を超える次の傑作を、
短期に仕上げられなかったことが「雷電国を滅ぼす(国破れて銀河あり)」
なのだろう。

実際、B-29キラーであるべき局地戦闘機(雷電)が、
大活躍出来なかったことは、そりゃ国を滅ぼす有力な要因だわ。