財政難に苦しむ野辺山宇宙電波観測所のこれから 所員は120人から13人へ、それでも45m望遠鏡での研究継続に奮闘 2020/01/20

共同利用は終了し、望遠鏡使用料を払う方式へ

長野県の八ケ岳山麓にある野辺山宇宙電波観測所は、日本の天文学初の国際レベルの
大型観測装置を備える観測所として1982年3月に開所した。建設予算総額110億円。
それまでの基礎科学予算の最高額であった大型加速器・陽子シンクロトロンの70億円を超えるものであった。
以来、数々の発見を成し遂げ、多数の論文を生み出してきた。
その主人公である直径45mの電波望遠鏡は、完成時に世界最大であり、
現在は大きさ世界一の座こそ米国のGreen Bank Telescopeに譲ったものの、
依然として世界第一線級のミリ波望遠鏡(単一鏡)である。
しかし、観測所は財政難により2019年9月末に本館・共同利用宿舎を閉鎖し、
所員は光熱費削減のため、面積が5分の1の観測棟に移住した。
最盛期には学生を含め120人いた所員は、現在31人。3年後には13人となる。
こうした厳しい台所事情のもとであっても、我々は45m電波望遠鏡ができるだけ長く現役でいられるように
鋭意努力中である。

右図は、5年ごとの45m電波望遠鏡を用いた修士・博士論文数である。
修士論文は、年ごとに増え、最近では、年平均8本書かれている。
博士論文は、年3件程度が執筆されている。電波天文学のすそ野が広がり、
45m鏡が大学院教育に大きな役割を果たしてきたことがわかる。
観測提案を通すのが難しい「アルマ」に比べ、野辺山は地方大学にやさしい望遠鏡だと思っている。
また、毎年、大学の学部生向けに45m電波望遠鏡の観測実習を実施している。

https://webronza.asahi.com/science/articles/2020011400006.html

まあ電波天文学と重力天文学とニュートリノ天文学とハワイの光学望遠鏡と宇宙X線望遠鏡を
同時にやる金は無いので、スポンサー探しをしてはどうか