>>283
飛行速度は90キロ程度、月明かりがある場合は低空を農道などの道づたいに飛ぶ。
月明かりが期待出来ない時は低空を飛行しながら民家の灯りや地上の地形と地図を見比べて、計器と勘を頼りに盲目飛行する。
それはかつて1930年代の長距離郵便飛行機が行っていた夜間飛行の手法だった。
そして、目標に近づく手前から徐々に高度を上げ、見晴らしの良い高度まで上昇すると、今度は一刻も早く米空軍基地を目視確認しなければならない。
何しろチャンスは一度きり、しかも寝込みを襲う以外に勝機はないから、操縦士と航法士は血眼になって地上を観察する。
米兵がこちらのエンジン音を察知して警戒し始めたら全ては水の泡である。
目標の特定と侵入コースを確認すると、その後はエンジンを切り、グライダーの様に無音降下し
大切に抱えてきた虎の子の爆弾をメインターゲットに投下、ついでに手榴弾も灯火管制の暗闇の中にある駐機された航空機
格納庫、兵舎、対空砲やバンカー、弾薬庫、管制塔など
破壊すれば有効と思われる物を目を凝らして見当をつけては手当たり次第に投げつけるのである。
続く