風俗店兼業 海上自衛隊の幹部自衛官を懲戒免職
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200310/k10012323001000.html
2020年3月10日 12時55分

海上自衛隊の幹部自衛官が、風俗店を実質的に経営するなど兼業で収入を得ていたうえ、客に艦艇の入港や出港の情報を漏らしていたとして、10日付けで懲戒免職となりました。

懲戒免職の処分を受けたのは、海上自衛隊の護衛艦隊司令部に所属する森田哲哉1等海佐(55)です。

海上自衛隊によりますと、森田1等海佐はイージス艦の艦長などを務めていた平成22年から先月までのおよそ10年間にわたって、妻の名義で派遣型風俗店を実質的に経営し、みずから女性客に性的サービスを行うなどして収入を得ていたということです。

また、風俗店の客として知り合った女性に、みずからが艦長を務めていた練習艦の入港や出港の情報を漏らしていたということです。

海上自衛隊はこれらの行為が、自衛隊法が禁じている兼業や情報漏えいにあたるとして、10日付けで懲戒免職の処分にしました。

また海上自衛隊の警務隊が、自衛隊法違反などの疑いで捜査しているということです。

先月、週刊誌の報道をきっかけに海上自衛隊が調査を進めところ、本人は事実関係を認め「経済的な理由で、収入を増やしたかった。年間100万円から150万円の収入があった」と話しているということです。

海上自衛隊トップの山村浩海上幕僚長は、「国民の信頼を失墜させるような事案を起こしたことについて、大変申し訳なく思っています。公務員としての倫理観を向上するための教育・指導などを一層強化し、再発防止に努めます」というコメントを出しました。

河野防衛相「教育の徹底や身上の把握をしっかり行う」
河野防衛大臣は閣議のあとの記者会見で「こうしたことが10年にわたり行われていたことは極めて問題で、国民の皆様に申し訳なく思っている。綱紀の粛清を徹底するため、教育の徹底や身上の把握をしっかり行うことを通じて、再発防止を行っていく」と述べました。