>>前960
「こいつはジャップの新型戦艦に違いない。間違いなくキンボシ・オオキイだな」
アブラゲを拐うトンビめいて冷酷な目をしながら米潜の艦長は下命した。
「敵はまだこちらに気付いていない。完璧なアンブッシュで真っ二つにセプクさせてやれ!」「ハイヨロコンデー!」
おお、見よ! 扇形の見事な射角で発射された長魚雷が殺人カジキマグロめいて無慈悲に突進!
一方、大和は回避どころか気付く様子も見えぬ。アブナイ!

Kabooom!! 「ヤッター!」敵戦艦に命中! ワザマエ!
今のは良い手応えだった。立ち上がる水柱に遅れて伝播してきた炸裂音が艦内に響く。
良くすれば撃沈、悪くとも推進系統へのダメージから大幅な速度低下は免れ得まい。
そうなれば、後は袋ネズミだ。再度の雷撃により沈没するのみ。
結局は早いか遅いかの違いでしかないのだ。

「アイエ! ナンデ!?」 既に秘蔵のボトルを開けての乾杯ムード重点であった司令塔にマヌケな声が響いた。
「ウロタ・エルナ!」 狼狽する兵士を叱責するミステリアスなネイバル・スラングが上官から返される! シンピテキ!

「一体どうしたというのか。まずは君が落ち着け」 そう言ってボトルからグラスに注がれたバーボンが、艦長自ら二人に手渡される。
「ア、アイエエエ……こちらをご覧下さい」「どうした。もしや既に沈んでしまったか?」 潜望鏡を覗き見る艦長。

「アイエエエ!」 ブッダファック! そこには波濤を砕き航行する戦艦の姿! 艦長は静かに失禁した。水兵はとうに失禁している。
あまりの事態に代わる代わる潜望鏡を覗き見る幹部たち! 代わる代わる失禁!
ナムアミダブツ! まるで血の池地獄だ!