また反動がAKよりもおとなしく、そのため何となく頼りない感じがしたものだった。弾丸を比べても大きさが全然違うため、当時は「本当にこれで大丈夫なのか?」と不安にすら思ったものだ。
当時の筆者は小口径高速弾の「敵を殺さず傷つけ、その収容・運搬などでより多くの敵の戦力を削ぐ」という「(人道的らしい)思考」がまったく理解できなかった。
最前線では、特殊な場合を除き、銃弾で死傷者が出る確率は僅かだった。殆どの被害は、地雷やトラップ、破片など他の原因だった。
だから筆者は、どうせせっかく少ない確率の中で当たったのなら、確実に「ワンヒット・ワンキル」の損害を与えたい。そう思っていたからだ。
20年くらい前のカレン軍には、A1、A2の他に現在のM4カービンに繋がるXM177も僅かにあったが、とにかく筆者はM16を使おうと思った事はない。
とはいえ、物資が欠乏していたカレン軍では、自分の使いたいものが使いたい時にすぐに手に入る訳ではない。またタイとミャンマーの両国の関係によっては
、一時的にタイからの物資が滞り、銃はあっても弾丸が足りないという事態に直面する事が往々にしてあった。そんな時は真っ先にAKの弾丸が欠乏するため、
比較的弾丸が豊富にストックされていたM16の使用を余儀なくされたものだ。その時の気分は正直「ファッキン・シット」だった。

ここまで書いてくると、M16にはちっともいいところがないように思われるかもしれないが、そんな事はない。
実際に使ってみてまず思ったものは、AKに比べてストレスが非常に小さいという事だ。
実戦の場では、音や光や衝撃や、そういった諸々のものがすべてストレスとなって、兵士の負担となる。銃の反動や射撃音も、その一つだ。
つまり、最初の内は頼りなささえ感じたM16の小さい反動と射撃音は、ストレスが小さくて済むという利点でもあったのだ。
また小さな反動のため、連射時のコントロールも比較的容易である。
装備できる弾薬数の多さも利点のひとつだろう。
筆者はよく「最前線でのジャミング程最悪な事はない」と言っているが、それは銃は弾が出てなんぼだと思っているからだ。弾薬切れも弾が出ないという点では同じ事だ。
余程の激戦か滅茶苦茶に撃たなければ、滅多に弾薬切れなどにはならないが、万が一の事を考えると弾薬は1発でも多いほうが安心だ。