ジェット旅客機「三菱スペースジェット(旧MRJ)」の開発を進める三菱航空機(愛知県豊山町)は、米ワシントン州などの海外拠点を閉鎖する方針を明らかにした。
親会社の三菱重工業が開発予算の縮小を決めたためで、日本でも人員を削減する可能性があるという。

新型コロナウイルスの感染拡大によって航空機需要が落ち込む中での決定で、
納期をすでに6回延期している90席クラスの「M90」の量産計画は、さらに遅れる可能性がある。
北米市場向けの主力機として検討していた70席クラスの「M100」の開発計画は、すでに見合わせている。

三菱航空機の広報担当者はロイターに対し、「海外での活動を大幅に縮小し、組織全体に大きな影響を及ぼす難しい決断を迫られた」と説明。
「日本でも組織の縮小が予想されるが、はっきりしたことはまだ分からない」と述べた。

閉鎖するのは、米ワシントン州とカナダのモントリオールの事務所。
シアトル郊外の試験飛行場の小規模な整備チームは残すという。

三菱重工は5月11日の決算会見で、今年度のスペースジェット開発予算を前年度の1400億円から600億円程度に削減する方針を明らかにしていた。

https://www.newsweekjapan.jp/headlines/business/2020/05/277173.php