これまでも安倍官邸は、黒川検事長を法務省事務次官、東京高検検事長に栄進させるために、
彼の同期で次期検事総長ナンバーワン候補だった前述の林氏(現在は名古屋高検検事長)の法務省事務次官就任を2度も拒んでいる。
その意味することは検事総長への出世ルートの遮断だ。

一方、稲田検事総長は三度目の正直とばかり、自分の後任に林検事長を据える腹積もりだったとされる。
林検事長が63歳となるのは今年7月30日で、稲田検事総長が今夏に勇退しても十分、後任になることが可能なのだ。

こうした検察内の事情を受け、元経産官僚の古賀茂明氏が言う。

「検事総長の任期は2年前後。林さんが検事総長になれば、22年7月の定年まで務められます。
一方、安倍首相は4選せずに、21年秋で首相を辞める確率が徐々に高まっている。
その時点で任期を1年残す林検事総長がどう動くか?

何しろ、この政権には過去に2度も昇進を邪魔されているんです。
正義を執行する本来の検察の復活も果たしたいという強い思いもある。
今がチャンスとばかりに『桜を見る会』疑惑やIR汚職事件の捜査をせよと、検察に大号令をかけるかもしれない。

そうなれば、安倍首相の身辺に捜査が及ぶのは必至です。
歴代の韓国大統領の多くが退任後、逮捕・訴追されたのと同様、安倍さんも牢屋送りにされることを恐れているのでは?」

https://news.nifty.com/article/domestic/government/12176-658360/