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中国の詩人、白居易は仏教について興味を持ち学んでいくうちに、とある山中に鳥巣禅師という
高僧が住んでいると聞いた
白居易は鳥巣禅師を探して山中をさまよい、やっとのことで木の上に鳥の巣のような座を作って
そこで座禅を組んでいる禅師を見つけた

「禅師さま、どうぞ私に仏教のなんたるかをお教え下さい」
白居易がそう呼びかけると、鳥巣禅師は答えた
「善いことは行い、悪いことを止めなさい。そうすればおのずから心身が浄められていく。それが
仏教というものである」

白居易はその答えを聞いて落胆した
「善いことは行い、悪いことは止めよ。三才の子供にだってわかることではないか。
そんなことのためにこんな山の中まで来たとは、馬鹿らしい」
思わず心中をそのまま声に出していた

すると鳥巣禅師は
「確かに三才の子でも知っている道理、なれど八十を過ぎた老人であっても、この道理に従って
生きることが如何に難しいことか」
と嘆息した

その言葉を聞いた白居易は、自分の至らなさを知り、深々と鳥巣禅師に向かって礼拝すると
帰っていったという

最も単純に言えば、仏教とは「善いことを行い、悪いことを止める」に尽きるという話やね