コロナ後は「日本型」貯蓄過剰が世界の潮流に。「お金を使わない正義」という停滞がもたらすもの
唐鎌大輔 [みずほ銀行チーフマーケット・エコノミスト]
May. 20, 2020, 05:00 AM BUSINESS
https://www.businessinsider.jp/post-213102

日本企業は「内部留保をため込み過ぎ」と批判されてきた。2012年以降、政府と日銀はアベノミクスの名のもと、
なりふり構わず景気刺激に勤(いそ)しんできたが、内部留保は積み上がる一方で、賃金の引き上げに
回されることはついになかった。

日本企業に根づく行動規範はそれほどまでに強固なものだったのだ。

しかし、今回のコロナショックによって、むしろ「そうした保守的な姿勢(あるいは行動規範)があったから助かった」
という成功体験が語られやすくなる可能性もある。

決して適切な考えだと言うつもりはないが、悪とされてきた「内部留保の蓄積」がアフターコロナの世界で正義と
見なされるような変化がないか、注目しておきたい。

それはつまり、「お金を使わない正義が肯定される」世界の到来だからである。
(中略)
いずれにせよ、本稿で強調したいのは、アフターコロナの世界において「お金を使わない正義」が幅を利かせ、
それがマクロ経済のさまざまな面において悪さをする可能性があるという点だ。

自粛思考が行き過ぎて、社会的に問題のある行動が散発的に報じられているミクロの現状を見ると、
マクロの将来においても、そのようなことが起きるのではないかと暗澹たる気持ちになってしまう。
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ああ、またデフレになってまう・・・