首相は記者団に「定年延長は厳正なプロセスを経て法務省から請議が出された」とも強調。
自民党の森山裕国対委員長は「その時点で知り得た情報で判断しており、適切だった」と擁護した。

首相官邸内には「黒川氏の任命責任は検察側にある」として、稲田伸夫検事総長の責任を問う声もある。
だが、検察トップに露骨に圧力をかけるなら、検察サイドの反発は必至。

自民党ベテランは「腹を決めて抵抗するだろう」と混乱を懸念する。
菅義偉官房長官に近い河井克行前法相夫妻が絡む公職選挙法違反事件の裁判が続いているため、「意趣返し」の疑念も招きかねない。

黒川氏をかばい続けた安倍政権に対し、ある法務省関係者は「黒川氏を辞めさせるなら、もっと早く決断してほしかった」と恨み節を口にした。
「無理を重ねてきたものが崩れていく。官邸は相当、追い詰められている」。
首相と距離を置く自民党の閣僚経験者はこう指摘した。

https://www.jiji.com/sp/article?k=2020052101083&;g=soc