787の主翼廃材、掃除機にリサイクル 三菱重工と三菱電機、環境保護で再利用
6/21(火) 18:40配信

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Aviation Wire

赤枠部に複合材主翼の廃材をリサイクルする三菱電機のコードレス掃除機「iNSTICK ZUBAQ」(三菱重工提供)

 三菱重工業(7011)と三菱電機(6503)は6月21日、三菱重工が製造を担うボーイング787型機の複合材主翼について、製造時に発生する廃材を家電部品に再利用する取り組みを始めると発表した。資源を有効活用し環境負荷の低減を目指し、地球環境を保護する。

 再利用するのは、複合材主翼の製造時に発生する炭素繊維複合材の廃材で、三菱電機のコードレス掃除機「iNSTICK ZUBAQ」シリーズのパイプとハンドルに活用する。炭素繊維廃材は今後、同シリーズの掃除機を始めとした家電製品のほか、さまざまな用途でのリサイクルを見込む。

 三菱重工はボーイングのTier1(1次請け)として、787の複合材主翼を製造している。炭素繊維複合材料は軽量で高強度な特性から、主翼などへの導入が進む一方、炭素繊維の製造時にエネルギー負荷がかかることから、多くのCO2(二酸化炭素)が排出される。また、廃棄処理時にかかる環境への負荷も大きな課題となっている。

 787は機体の構造部位のうち35%を日本企業が中部地域で製造している。三菱重工のほか、川崎重工業(7012)は前部胴体と主脚格納部、主翼固定後縁、SUBARU(7270)は中央翼を担っている。