>>600
とは言え対ソレンドリースの中身は戦車や戦闘機と言った兵器ばかりではなく、トラックも大量に含まれていましたしね。

ソ連軍は車両の生産リソースの多くを戦車や大砲・自走砲に集中し、トラック類は米国からの輸入品にかなり依存していたから、
そのトラックが丸々輸入できない場合、トラックの大幅な不足でソ連軍の兵站能力はかなり目減りしていたでしょう。

そしてソ連軍が前線への輸送や国内の兵站を維持する為には、戦車やAFVの生産を減らしてトラックを国内生産せねば
戦争そのものが成り立たないし、米国製の頑丈で優秀なトラックは品質の劣るソ連製トラックよりも運転兵に歓迎されたから、
レンドリース抜きでソ連が負けたかどうかはともかく、史実よりも遥かに苦戦を強いられた事は確実でしょう。

それにレンドリースの中には高品質の被覆電線や高オクタン価の航空ガソリンや大量のスパム缶詰なんかもあったし、
赤軍将校の威厳を高める金モールも含まれるなどソ連国内では調達困難な品目が非常に多岐に渡ったのだから、やはり
勝利に大きく貢献したのは否定できない事実でしょう。

流石にソ連側もこれだけ膨大で貴重な兵器物資をロハで要求する訳にも行かず、レンドリースの代金の一部を政府の
保有する金塊で戦時中に弁済しようとしましたが、金塊を積んだ英国巡洋艦エジンバラ号はムルマンスク港を出港後に
Uボートに雷撃され金塊もろとも北海に沈みました。

もっともこの金塊は戦後数十年経ってエジンバラ号と共に発見され、艦内の金塊のかなりはサルベージに成功するのですが。