>>255
世間一般の印象でのインパール作戦と言えば・・

・補給や兵站に全く無知な愚将牟田口が、個人的な功名心の為だけに無謀な作戦を立案しゴリ押しする
・火砲もトラックも全く足りず、現地徴発の水牛に物資を運ばせようとした「ジンギスカン作戦」も初手で破綻
・日本軍の行動を全て事前に察知し、準備万端で待ち構えていた英軍は圧倒的火力と絶対的制空権で
 軽装備しか持たない日本軍の突撃を尽く破砕。
・ようやくたどり着いたインパールでも堅固な陣地に立て籠もる英軍の頭上に無数の輸送機が無尽蔵の
 物資をパラシュートで投下し続け、骨と皮ばかりに痩せ細った日本軍の物狂いの銃剣突撃を、飽食した
 英軍が鼻歌交じりの弾幕射撃でこれまた完全粉砕。
・この様な状況にあってもまだ愚将牟田口は無謀な突撃命令ばかりを馬鹿の一つ覚えで出し続け、
 あまつさえ後方の料亭や慰安所で芸者遊びに耽る始末。
・こうしてインパール作戦の失敗が誰の目にも明らかになってすら、牟田口は自分のメンツの為だけに
 作戦中止命令を下さず、その間にも前線では何千何万もの兵士が犬死にする事に。
・自分のせいで何万人もの兵士を死に追いやりながら、作戦失敗の責任を取って切腹する事もせず、
 司令官の職を更迭されても前線の兵士らに責任転嫁するばかりで全く反省の色が無かった。

と言う具合に「英軍絶対優勢」「責任の大半は愚将牟田口に」という印象が強いでしょう。

実際にはそんな単純明解ではなく、英軍もインパール作戦序盤に於いては軽装備の日本軍の素早い侵攻に
翻弄されて固守すべき重要拠点を次々奪われているし、英軍側の判断ミスで本来しなくてもいい苦戦を
する羽目になったのも一度や二度ではありません。

それにビルマ方面の日本陸軍航空隊も一般の印象よりも遥かに健闘していたし、豊富とは言えない
航空戦力で制空戦闘や対地攻撃で少なからぬ戦果を挙げ、英軍輸送機による物資の空中投下にも
かなりの制約を与えています。