行革担当相経験者の河野太郎防衛相はこのころ、同省予算の無駄の排除に乗り出していた。
米側からの情報を6月3日に事務方から伝えられると、翌4日には安倍晋三首相に報告。
12日に首相と再び会って計画停止の了解を取り付け、一気に突き進んだ。

計画停止は首相官邸主導で配備を推し進めたことに伴う「つけ」が回った結果とも言え、政権の一段の求心力低下につながりそうだ。

陸上イージス導入決定にはトランプ米政権との関係強化を重視していた官邸の意向が働いたとの見方がもっぱらだ。
導入決定前月の日米首脳会談後の記者会見で、トランプ大統領は「日本は大量の防衛装備を米国から買う」と強調。
首相は「米国からさらに購入していく」と応じた。

こうした経緯があったにもかかわらず、河野氏が15日に計画停止を発表するまでの過程で官邸が口を挟んだ形跡は見られない。
閣僚経験者の一人は「官邸が河野氏を止められなかったのだろう。政権の体力がなくなってきた証左だ」と語った。

https://www.jiji.com/jc/article?k=2020061601140&;g=pol

防衛大臣の決断ひとつで中止が決まった模様