鳴り物入りで導入の沿岸戦闘艦を経費節減で退役へ
初期型で大規模紛争仕様への改修が高価で断念

6月20日付の米海軍作戦部長(米海軍制服トップ)名の文書で米海軍は、鳴り物入りで導入した沿岸戦闘艦LCS(littoral combat ship)の1番艦から4番艦を、
費用対効果や経費節減のため、2021年3月31日をもって非稼働状態として保管体制(mothball)に置くと明らかにしました。

1番艦から4番艦は、就航からそれぞれ12年、10年、8年、6年しか使用しておらず、イージス艦より小型(3000トン級)で安価(700億円程度)とは言え、ちょっとそれは・・・と多方面から待ったがかかりそうな決定です。

沿岸戦闘艦LCSは導入までのゴタゴタで、それでなくても「いわくつき」装備品です。
機種選定で散々もめた挙句、2機種(2艦首)とも採用するという前代未聞の決定がなされ、
General Dynamics社の「Independence型」とLockheed Martin社の「Freedom型」が、計55隻導入の構想で、それぞれ10隻程度納入済です。

更に、1番艦が就航したのが2008年8月(Freedom型)ですが、この頃から中国の脅威が叫ばれ始め、LCSのような小型で小回りの利く多用途任務艦艇(掃海、対潜水艦、対艦任務など)では本格紛争に耐えられないとして、
3000トンクラスの船に追加装備を行うなど当初の構想とは違う方向に進んで価格が高騰していることも踏まえ、総調達隻数の削減が何度も話題に上っている艦艇です。

https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-07-02-1
US Navy’s first 4 littoral combat ships to leave the fleet in 9 months
https://www.defensenews.com/naval/2020/07/01/the-us-navys-first-4-littoral-combat-ships-are-out-of-the-fleet-in-9-months/

海自のFFMや哨戒艦はどうなるやら