「うわあっ!」

飛び起きた蕪木が周囲を見回すと、そこは自分が率いる族の溜まり場になっているアパートだった。
そうだ、今朝までポリ公とカーチェイスして、どうにか振り切ってここに戻ってきて、眠り込んだのだった。

なんだか長い夢を見ていた気がする。自衛隊がどうとか、ロシア艦隊がどうとか。
最後に見たのは自分が艦長を務める護衛艦に迫ってくるミサイルだったような。

「へっ、族のカシラやってる俺が自衛隊なんて、出来の悪い夢にも程があるぜ」

蕪木は傍に落ちていたシンナーでも吸おうと手を伸ばした。

空母いぶきGG 完