2020.07.13
ハープーン終焉か?米海軍が次世代フリゲートにノルウェー製対艦ミサイル採用
https://grandfleet.info/us-related/norwegian-anti-ship-missile-adopted-for-us-next-generation-frigate/

ノルウェーのコングスベルグ・ディフェンス&エアロスペースが開発した「ナーヴァル・ストライク・ミサイル(NSM)」は元々、
ノルウェー海軍のフリチョフ・ナンセン級フリゲート(4,600トン)やシェル級ミサイル艇(260トン)に搭載する対艦ミサイルとして採用されたもので、
西側の標準的な対艦ミサイル「RGM-84ハープーン」の重量がブースター込みで約660kgあるのに対しNSMは同条件で412kgしかない。

この重量差は当然弾頭(高性能爆薬の量:ハープーン220kg NSM110kg)に影響してくるため破壊力という点において
「大きな差」が生じるはずなのだが、標準的な遅延信管を使用するハープーンに対しNSMは先進的な新しい信管を備えているため、
弾頭が少ない割には着弾した目標に対する破壊力が大きいという特徴がある。

NSMは小さな弾頭で目標の水上艦艇に大きなダメージを与えるため「最も脆弱な部分」に着弾するよう制御されており、
目標ごとに複数の爆発タイミングの中から最適なモードを選択して破壊力を最大化させることができるらしい。
さらにNSMはミサイル本体の形状がステルスを考慮した設計になっているため搭載された赤外線シーカーで運用する場合、
敵はNSMが接近するか着弾するまで気づかれないという特性を持っている。

果たしてNSMが噂されるほどの性能を備えているのかは謎だが着実にNSMを採用する国は増えており、現在開発国を含めて5ヶ国
(ノルウェー、ドイツ、米国、ポーランド、マレーシア)が導入したが、これまでの採用例はどれも小型艦への搭載を目的としていたため
所詮は「小型艦向けの対艦ミサイル」という認識だった。

しかし米海軍はフリーダム級(2,700トン)やインディペンデンス級(2,300トン)といった比較的小型の沿海域戦闘艦だけでなく、
7,000トンクラスの次世代フリゲートFFG(X)にも「RGM-84ハープーン」ではなく「ナーヴァル・ストライク・ミサイル(NSM)」採用を決定したため、
NSMの実力や破壊力は本物である可能性が高くなってきた。
(以下略)
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対艦ミサイルの定番だったハープーンの時代も終わりか。