花森容疑者については、同級生らから「周囲と距離を置く」「周りから浮いていた」などの証言が出ている。

 阿部氏は「凶悪事件の犯人は、たいてい十分コミュニケーションのある変化に富んだ生活を送って来ていないのです。むしろ、人との接触の少ない人生を送り続けてきた彼らの人生には出来事が大変少なく、それゆえ、過去のちょっとした気に入らないことも鮮明に覚えているのです。花森容疑者の頭の中では、数年前にみんなの前で後輩に敬意の感じられない態度を取られたことは、いまだに現在進行形の出来事として生き続けているのです」と言う。

 静岡で社会から孤立した生活を送っていたとすれば、自分の怒りを聞いてもらうこともできず、マイナス要素が蓄積され続けたのかもしれない。
「凶悪犯罪を行う人間は、一般の人間と同じ環境で育っていないケースが多い。そして、彼らはストーカーなどにも見られるように極端な“粘着体質”を持ちやすいのです。“愛憎のもつれ”を指摘する方もいらっしゃる。その可能性もゼロではないでしょうが、根底にあるのは一般の家庭環境とは異なる環境であり、そこから生ずる極度の粘着体質であることは間違いないでしょう」と阿部氏は指摘している。