その上で、政策評価書の内容を見ると下記の通り

構想検討(令和2年度〜令和4年度)
政策評価書には令和2年度から令和4年度まで「いずれの開発形態にあっても必要となる開発初期段階の次期戦闘機の構想検討に着手する」と記述。『我が国の防衛と予算(令和2年度予算の概要)』には、「我が国主導の次期戦闘機の開発(111億円)」として将来のネットワーク化した戦闘の中核となる役割を果たすことが可能な戦闘機について、国際協力を視野に、我が国主導の開発に着手(戦闘機システム全体の初期的な設計作業に着手)と説明されている。
「構想検討」や「初期的な設計」は従来の開発では使われない用語だが、111億円の予算規模は基本構想だけではなく、基本設計の一部まで含むものと推察される。
また、「戦闘機システム全体の初期的な設計作業」を技術的解釈すれば、機体、エンジン、搭載電子機器、兵装を含むシステム全体の「構想設計」を指すと考えられるが、機体の基本形状も確定することになろう。

林富士夫 元防衛省技術研究本部技術開発官(航空機担当)/空将 軍事研究 2020年8月号別冊