>>194
おおむね日本とイタリアの地政学的な違いに起因する

日本は島国で上陸阻止は海軍さんがまぁなんとかしてくれるから本土での陸戦は限りなく優先度が低い
陸軍が最重要視した陸戦の姿は「広大な満州の平原でのソ連との戦い」で
戦前の陸軍は端的に言えばこの陸戦形態のためだけに最適化された軍隊である
世界最強クラスの赤軍を仮想敵に回して陸戦を組み立てなければならない
しかも砲兵も機械化部隊も存分に効果を発揮する平原という地形もあって
日本軍の参謀の回答は砲兵も機械化も出来る範囲で頑張るけどどうせこの分野じゃ勝てないから
歩兵による浸透&迂回&夜襲&白兵で「積極的に補おう」というものであった

イタリアはリビア&ソマリアといった海外植民地を持つものの日本と違い半島国家であり
大陸と地続きな以上どうやっても海の向こうでの戦争よりも本土防衛の陸戦の備えの方が優先される
それは「アルプス山脈を舞台にしたフランスかオーストリア(ドイツ)との戦い」である
日ソの差に比べれば砲兵も機械化もまだ彼我の差が少ないフランス/ドイツ
(特にドイツ軍は再軍備を本格化させる前の戦間期十数年にわたりイタリアよりも貧弱であった)
しかも機械化部隊が精彩を欠いてスローテンポに陥るのが常の山岳戦闘だから
歩兵戦術で「積極的に」補う必要性も薄かった

加えてイタリアは空軍がドゥーエが理論家した航空戦による短期決戦論を推しており
空軍の政治力でファシスト党ら政府もまともに陸戦を交える前に戦争が終わる短期決戦論に傾倒していて
戦略戦術の組み立てへの熱心さも陸軍は空軍より低かった