>>226
自由を取り戻したと言えば、昨今マスクをしない自由というのが取り沙汰されているね。
俺自身の気持ちを正直に言えば、マスクはあまり好きじゃない。ただでさえスチームオーブンのように湿気に満ちた暑苦しい空気だというのに、会社支給の安物マスクを着けて動き回れば、口の周りは汗だか唾液だかも分からないほどにグチャグチャの状態だ。
そんな辟易とする気分でうんざりしながら路上のアスファルトからの照り返しに身を焦がしながら歩いていると、普段なら夏休みで涼しい自宅にでも篭って過ごしていただろう、ランドセルを背負った可憐な妖精の姿が目に入った。妖精は、小学生だった。
かすかなスク水焼けを鮮やかに浮かべ、惜しげもなく陽の光に晒したその肌が汗によってキラキラと輝いて、馥郁とした少女の香りと共に俺の五感を焼き焦がした。
俺はテレワークの着信を装ってそっとスマホの動画撮影をONにすると、衣類というベールによってさえ遮ることの出来ない奇跡の輝きを十戒を授かる預言者の如く、ただひたすら記録した。