2020.09.25
ドイツの「厳しすぎるコロナ政策」に国民の不満が鬱積している証拠
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/75895

(2ページ目から抜粋)
ただ、問題は別のところににあった。それは、この中の一部の人が掲げていた黒、白、赤の縞模様の旗、ドイツ帝国の国旗だ。

ドイツ帝国の成立は1871年だが、その後、ドイツ帝国旗は1919年のワイマール共和国を経て、ヒトラーの時代まで使われた。
つまり、ドイツ人にとって、これは公の場に翻ることは絶対に許されない旗だ。

では、誰がこの旗を掲げたかというと、“帝国臣民(Reichsburger)”運動のメンバー。つまり、この日の真の問題は、
この帝国臣民たちが、国会議事堂前に堂々と姿を現したことだった。彼らは民主国家ドイツにとっての「恥部」なのである。

帝国臣民は現在のドイツ連邦共和国を認めていない。彼らの主張によれば、ドイツの主権はまだドイツ帝国にあり、
国境も1937年のものが有効となる。つまり、現ロシアのカリーニングラードも、現ポーランドのヴロツワフも、皆、ドイツ帝国の領土だ。

彼らの思想に統一性があるかというとその限りではなく、メンバーは、極右、ナチ、反ユダヤ勢力、オカルト集団っぽいもの、
あるいは、単に頭の中に奇異な考えの詰まっている人たちなどと、様々らしい。ただ、ドイツ帝国がまだ生きているとする根拠が
ワイマール憲法であるところは、意見が一致している。

当時、世界で一番民主的と言われたワイマール憲法は、ナチにも、また、のちにドイツを占領した連合軍にも、正式に停止されていないという。
国家は憲法を持つことで初めて独立するのだから、ワイマール憲法が生きている限り、ドイツ帝国も生きているというのが彼らの主張
(ワイマール共和国というのは俗称で、正式名はドイツ帝国。また、メンバーの中には、ワイマール憲法よりさらに古い1871年のドイツ帝国憲法を
有効とするグループもある)。

つまり、戦後にできたドイツ基本法(憲法に相当)は無効で、それに基づく国家も無効というわけだ。
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まさか、現代ドイツで「帝国臣民」なるワードが出てこようとは・・・
銀英伝の中にした出てこないと思っとったわ。