>>854
例えばナチスドイツ軍の使ってた対戦車地雷はボルト数本抜くだけで人間が踏んでも爆発するようにできたけど、ドイツ軍はこれを対戦車地雷原に敷設するものの中に混ぜていた。
そうすれば「対戦車用だから人間が踏んでも作動しないはず」と思って処理しに来る工兵その他を効果的に妨害できる。
「人間が踏んでもダメ」となったら、対戦車用であっても地雷が埋めてそうなところにはものすごく慎重に踏み込まなきゃいけないので。

本来はそのための機能だけど、「人間用はないだろうとタカを括っていたら駄目だった」って存在なんだ、ってだけで意味がある。
本物の対人地雷と違って重くて大きくなる分敷設も散布も面倒になるけど、「地雷という兵器の本質的価値」は失われない。


・・・余談だけど対戦車地雷みたいな大型の地雷は、トラップワイヤーや除圧式(力が掛かると、じゃなくて力が抜けると作動)の信管着けて「引っ張ると作動する」「持ち上げると作動する」ようにしたのを混ぜとくのが設置の基本。
こうすることで「見つけて処理しようとしたら爆発」って存在にして、地雷除去を妨害する。

ちなみに上の「人間が踏んでも作動」ってのもそうだけど、そういう「埋めるか置いといて戦車が踏むと作動」じゃない複雑な作動形式にしたものは、”わざと”見つけやすいように偽装を適当にしたりごく浅く埋めて「ここに埋めてある」のがわかるようにするのが工兵のテクニック。
そうすることで「簡単に見つけても気軽に触ってはいけない」という存在であることを敵に思い知らせて、なんであれ地雷は慎重に除去しなければいけない、と考えさせて作業を遅延させるように仕向ける。

ドイツ軍はトラップワイヤー付きの地雷を三段重ね+1(下にもう一個、更にその下に一個、そしてどれかの隣に更にもう一個)に埋設したりしていた。
もちろん全部こうしてるわけじゃなく、「こういうものが一個でもあったということは、他もそうなのでは・・・?」って思わせるためだ。
そうやっていわば「ロシアンルーレット状態」に相手の心理を追い込んで、「地雷があると思うと怖くて通れない」って形に追い込むわけだな。