>>241
読んでるだけで頭痛くなってきた
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2段燃焼サイクルとは、ロケットエンジンの燃焼サイクルの形式だ。
燃料全部と酸化剤の一部ないしは燃料の一部と酸化剤全部をプリバーナー
(主燃焼室とは別に設けた小さな副燃焼室)で燃やして高温の不完全燃焼ガスを作る。
その不完全燃焼ガスでターボポンプを駆動。駆動後の不完全燃焼ガスは
主燃焼室に押し込んで、残りの酸化剤ないし燃料と混合し、再度燃焼させて噴射する。

フルフロー2段燃焼サイクルは、この方式の進化形で、2つのプリバーナーを持つ。
片方のプリバーナーで燃料全部と酸化剤を燃やして燃料リッチの不完全燃焼ガスを作り、
燃料ターボポンプを駆動する。もう一方では燃料の一部と酸化剤全部を燃やして
酸化剤リッチの不完全燃焼ガスを作り、こちらは酸化剤ターボポンプを駆動する。
駆動後に2種類の不完全燃焼ガスは主燃焼室に押し込んで混合し、再度燃焼させて噴射する。

プリバーナーを2つ設置するという複雑な設計にする理由は、性能と安全性の両方を
向上させるためだ。この方式では燃料と酸化剤の全量をターボポンプの駆動に使う。
ガスが持つエネルギーは、単位時間当たりに流れるガスの質量(質量流量)に比例する。
燃料と酸化剤の全部をターボポンプの駆動に使えば、それだけ多くのエネルギーで
ターボポンプを駆動するのだから、ポンプの吐出圧を大きくできる。するとガスを押し込む先の
主燃焼室の燃焼圧力を高くできる。

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LE9のエキスパンダーサイクルは副燃焼室はなく、ノズルの冷却液として燃料を使い
ノズルで高温になった燃料でタービンを駆動してポンプを動かし、使った燃料は捨てるという
極端にシンプルな構造になっている。